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釈迦ヶ岳 [1795m]
日時:2008/04/21
天気:晴れ
人数:単独
行程:学校平6:07--大間々6:52--剣が峰7:36--釈迦ヶ岳9:37--鶏頂山分岐--スッカン沢--道路14:37
山情報:高原山塊の最高峰。俺の実家から一番近い。山頂は360度の大展望。
登山口:東北道【矢板IC】---矢板市街---泉---大間々台
本当は大間々台の駐車場から登る予定だったが、ゲートが閉まっていて、26日からじゃないと開かないらしい。地図で見たらたいした距離じゃなかったから、まあ、いいや。
6:07 学校平駐車場
6:07 学校平駐車場学校平の駐車場は俺以外いなかった。
ここの駐車場は道の駅の駐車場でもあるんですね。
まさかこの時は、この後起こる
恐怖体験
に気づくわけもありませんでした・・・。
ここから大間々台まで緑に囲まれたコースが続きます。
途中鹿が一頭横切った。
びっくりして心臓出るかと思った・・・。
大間々台までの道。
大間々台は、関東有数のレンゲツツジの群生地らしい。
今回は、まだ時期が少し早かったのもあって、それは見る事はできなかった。
6:52 大間々駐車場
6:52 大間々駐車場もちろんゲートは閉まっているので車は一台もない。
広くてよく整備されている。
トイレもあるし、展望台もあった。
展望台までは行かなかったけど、位置的に矢板市街を一望できるんじゃないだろうか。
見晴らしコースの入り口の鳥居。
いよいよここから本格的な登山道。
最初からきつめの登り坂が続き、高度をグングンあげる。
雑木林の中を、尾根道目指して歩きます。
所々残雪が目立ち、ちょっと不安になりつつ、踏み跡があるから大丈夫だとわけのわからない確信を持つ。
7:36 剣が峰(八海山神社)
ここにくるといきなりガレ場に変わる。
ものすごく歩きづらい。
剣が峰って富士山にもあるけど、どういう意味なんだ?と思い調べてみた。
剣が峰とは、ギリギリの状態。絶対絶命。成否の決まる瀬戸際。相撲で俵の一番高いところ。また、そこに足がかかって後が無い状態。
つまり、足場が不安定で危ない場所ということですね。
ここは、確かに剣が峰。
この先進むと、剣が峰まで稼いだ高度を今度はまた下がる事になる。
帰りにまた登るのか・・・。
残雪も多くなってきている。
でも、木の周りの雪は溶けてるんです。生きてるから暖かいんだろう。
こんなジブリっぽい場所も通りました。
ちょっとテンション上がった。
ここで5分くらい休憩。
道しるべのリボンがあった。
右の写真は鶏頂山の分岐。
9:37 釈迦ヶ岳山頂
9:37 釈迦ヶ岳山頂山頂到着。
雲が多かったが、そこそこ展望はきいた。
釈迦如来像がいた。
どうやって持ってきたんだろう。ヘリコプターか?
神や仏の類は信じないけど、こういうのはすげーと思う。
彫刻の技術が。
まさに職人の業ですね。
山頂で10分くらい休憩後、そそくさと帰る。
雪にある足跡と、赤リボンを頼りに・・・
10:05 プチ遭難開始
10:05 プチ遭難開始やっちゃった・・・。
行きには絶対通ってない場所にいる。
パニックになったが、ここは冷静にならないとだめだと思い、自分がどうすればいいのかよく考えた。
そして、
登るか。
下りるか。
という2択に。
登山入門書とか、テレビでは「迷ったらまず登り返して、尾根を探しましょう。」って言ってるけど、まず登り返す体力がないし、登り返す方向がわからない。
だから下りた。
腰まで埋まる雪の中、猛ラッセル。
もうこの時点で、登り返しは不可能。
30分くらいしただろうか、赤リボン発見!
やった。助かった。と思いそこからそれを頼りに進むと夏道に出た。
しばらく進むと笹藪に・・・嫌な予感を感じながらも、せっかく登山道にたどり着いたのでそのまま歩き続ける。
ちょっとすると木の看板が・・・。
古ぼけた看板にやっと見えるくらいのかすれた文字で「明神岳へ」と書いてある。
持っている地図で確認してもそんな山はどこにもない。
(後で確認したらありました)
携帯電話はもちろん圏外。
ここでさらにどん底へ。
来た道を戻り、また深い残雪を猛ラッセル(笑)
すると・・・
どこからか沢の流れる音が・・
今度こそ助かったと思った。
沢沿いに行けば人のいる場所へでるだろうと思い、崖みたいな所を下って沢の上流にたどり着く。
(後で調べたらこれはスッカン沢につながっていました。)
まだ、上流はよかった。
あたりまえだが、進むたびに水の量は増すし、水位も上がる。
岩の上をジャンプしながら進むのも危うい箇所が沢山出てくる。
そういう所は、一回山側の斜面を上がり、また降りて避けながら進まないといけない。
この行為が非常に疲れる。
足の指も同じとこばっかり擦れて超痛い。
もうどうでもよくなり、川の中を歩いた。
しかし、今度は靴が濡れて重くなる。
悪循環の連続だ。
時々、「お~い!」とか、「誰かいませんか~!」と叫んでみるが、応答なし。
山に登山道らしきものがあると一回登ってみるが、全然違う。
買ったばかりの手袋も、全ての指に穴が開いた(笑)
そのうち堤防も出てくる。
堤防は山側に一回上がり、避けるようにして越えた。
もうどれくらい歩いたかわからない。
死ぬんじゃないかと少し考えたりしてた。
「岩」とか、「木」が人や熊に見えてきた。
精神的に弱い証拠だな。
でもこういう時はあまり疲れないものだ。(体力的にはまだ限界ではないらしい)
3時間くらい歩いただろうか。
体感時間は6時間くらい。
やっと、やっと見つけた。
14:37 道路発見
14:37 道路発見道路を見て、車が通っているのを見て、涙が出そうになった。
思わず走った。
うれしくて、変な石碑で記念撮影した(笑)
ここでは載せないが、顔がやつれて別人だった・・。
帰りは中学生以来のヒッチハイク。
なかなかとまってくれないものですね。
まあ靴とズボンびっしょりで、やつれた顔した人間なんて、俺だったら無視。
しかし、やっぱり乗せてくれるやさしい人はいるわけで、日光から来たハイカーの人達が止まってくれた。
いきさつを話したら、「大変だったねぇ。のど、渇いてない?お腹すいてない?」と言って、水とかチョコとかくれた。めっちゃいい人達でした。
まじでありがとうございました。
そうして、無事、駐車場に到着して帰路につくことができた。
この事は、アルプスとかヒマラヤとかで遭難した人達の体験に比べたら屁でもないと思うが、俺はマジで恐かった。恐怖が脳裏に深く刷り込まれた気がする。これを機に、登山について真剣に取り組むと決めた。
初単独登山は壮絶な幕開けとなり、予想タイムを遥かにオーバー。
いろいろ考えさせられる山行となった・・・。
往路 3:30
復路 5:00
合計 8:30
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